KEY-NOTE通信
ピアノの歴史
楽器の王様といわれるほど、人々に親しまれているピアノ。今回はピアノの歴史についてお話します。
楽器をはじめるとき「ひとつひとつの音が正しく出せるようになるのも一苦労」ということもしばしばです。しかし、ピアノは鍵盤を叩くだけで音程のあった音を出すことができます。さらに、鍵盤は音の低い方から高い方へと順番に並んでいます。ドレミファソ・・・と音が順番に並んでいる楽器は、案外少ないものです。同時にたくさんの音が出せ、音域が広く、音の強弱・大小も幅が広い、それもまたピアノの魅力だと思います。
現在のピアノの原型は、1709年にイタリアのクリストフォリ(1655-1731)によって発明された、と言われています。
1500年ごろにイタリアで生まれたチェンバロという楽器を基に、現在のピアノへと続くメカニズムを発明しました。チェンバロは鍵盤を押すと細長い棒状のジャックに付けられた爪が弦をはじいて音が出る仕組みで、音の強弱が付けにくい楽器でした。それを不満に思ったことから、弦をハンマーで叩く仕組みを考え出したのだそうです。そして、「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(gravecembalo col piano e forte / 弱音も強音も出せるチェンバロ)」という名前を付けました。現在ではこの名前を短縮して「ピアノ」と呼ばれています。
1790年~1860年頃、モダンピアノへと進化していきます。モーツァルトの時代には5オクターヴだった音域が、モダンピアノでは7と1/3オクターヴかそれ以上になりました。
1820年代になると、開発の舞台はイギリスからフランスに移ります。鍵が上がりきっていないところから連打できるようになり、演奏の幅が広がりました。この頃、フィリップ・フランツ・シーボルト(1796-1866)によって、はじめてのピアノが日本へ持ち込まれます。山口県萩市の熊谷美術館には、シーボルトから送られた日本最古のピアノが保存されています。(1819年 イギリス Wm.Rolfe&Son’s製のスクウェアピアノです)
1826年には、ハンマーヘッドに革ではなくフェルトを使うようになり、ダイナミックレンジが大きくなりました。1844年にソステヌート・ペダル(3本のペダルの真ん中のペダル)が発明され、1874年にスタインウェイ社が改良しました。ソヌテート・ペダルにより、音色の幅が広がりました。
アップライトピアノやグランドピアノは19世紀の末に現在の形に辿り着きましたが、今もなお製造の工程や細かい部分の改良は続けられています。
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